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相続財産を寄付した場合

2023.04.10

先日相続案件で、ご遺族の方から次のようなご質問をお受けしました。

「故人は生前中、地方公務員として職務を全うした。相続財産の一部について被相続人の地元への寄付(ふるさと納税)を考えている。故人も喜ぶと思う。その場合、何か税務上の優遇措置はないか?」

他にも仕事をしていて、ご時勢なのか「日本赤十字社」や「国境なき医師団」等への寄付が増加しているように感じます。公益性の高い団体へ寄付した場合は、「寄付金控除」という優遇税制が設けられています。

今回は節税の話というより「皆さんの善意の寄付を税制も後押ししていますよ。」というお話です。尚、後述の「ふるさと納税」が若干節税の話となっています。

 

1、寄付金控除の趣旨及び範囲

 

税金は徴収された後、基本的に公益性を有する組織・団体に配分され使用される前提です。そこで、納税者が直接「国もしくは地方公共団体(県や市町村)」または「認定NPO法人や特定公益信託」などの『国から公益性を認められた団体等』に寄付した場合は、相続税・所得税・法人税等において「寄付金控除」という形で一定の優遇税制を設けています。

寄付金控除の適用においては、「寄付の相手先」が寄付金控除対象団体に該当するかが重要になります。

国や地方公共団体への寄付であれば、基本的に全て寄付金控除の対象です。

NPO法人等に寄付をする場合は、相手先が「寄付金控除の対象」として認定を受けているか確認する必要がります。直接相手先に確認する方法もありますし、対象法人のホームページや下記リンクの内閣府発表のホームページから確認する方法もあります。

寄付金控除の対象となる場合は、基本的に「寄付金控除対象である旨」を記載した領収書を発行してくれます。

参照リンク:

公益法人とNPO法人の税額控除対象法人の一覧について : 公益法人と特定非営利活動法人(NPO法人) - 内閣府 (cao.go.jp)

注)寄付金控除は、税目やその内容により微妙に範囲や取扱いが異なります。実際に寄付を実行する際は、税理士等専門家にご相談ください。

 

2、相続財産の寄付は、誰が寄付をするかで取扱いが異なる

 

相続財産を寄付する場合、大きく分けて次の二つのパターンがあります。

①被相続人が遺言で指定して、被相続人の意思により相続財産を寄付する場合

②相続人が財産を相続した後に、相続人の判断で相続財産の中から寄付する場合

上述した「国や認定NPO法人等」への寄付は、相続税の計算上「相続財産」から除外して相続税を計算することになります。この点については、①及び②どちらも共通しています。

異なる点は、所得税の取扱いです。①のケースではそもそも所得税の話は出てきません。しかし②のケースにおいては、相続税に加え「寄付をした相続人」の所得税においても寄付金控除を受けることができます。

つまり、②のケースにおいては寄付をした相続人は「相続税」と「所得税」両方で寄付金控除の適用を受けることができます。

補足:

「普通法人(営利法人)」や「認定を受けていないNPO法人等」へ相続財産を寄付した場合は、次のような取り扱いになります。

被相続人の遺志による①のケースでは、遺贈した相続財産について原則として相続税は課されません。ただし株式会社等の場合は、法人側で相続税の代わりに法人税が課されます。

相続人の判断による②のケースの場合は、寄付した相続財産について通常通り相続税が課されます。また、所得税についても寄付金控除の適用はありません。

 

3、税金はいくら減少する?

 

相続税における寄附金控除による減税額は次の通りです。
〔寄付した金額〕×相続税率=減税額
相続税率は相続財産の額に応じて10%~55%となっています。また法定相続人の数や配偶者控除も影響します。
仮に相続税率20%の人が100万円寄付した場合は、20万円の減税となります。
算式:100万円〔寄付した金額〕×20%〔相続税率〕=20万円〔減税額〕

 

所得税における寄付金控除の減税額は基本的に下記の通りです。
〔寄付した金額※-2,000円〕×所得税率=減税額

※所得金額の40%を限度
所得税率は、その人の所得に応じ5%~45%となります。
また、一定の寄付金については「税額控除」制度との有利選択も可能です。

 

住民税における寄付金控除の減税額は基本的に下記の通りです。
〔寄付した金額※1-2,000円〕×10%※2=減税額

※1 所得金額の30%を限度
※2 認定NPO法人等への寄付の場合、お住まいの県や市が対象法人を条例指定している場合に限り住民税は減額されます。

具体例: (〇=寄付金控除適用あり、×=寄付金控除適用なし)
市への寄付(ふるさと納税)⇒相続税:〇、所得税:〇、住民税〇(ふるさと納税適用)
日本赤十字社への寄付⇒相続税:〇、所得税:〇、住民税:〇
国境なき医師団への寄付⇒相続税〇、所得税:〇、住民税:東京都のみ〇(他は×)

 

4、相続人からの寄付は、ふるさと納税も併用可能

 

ふるさと納税は、限度額の範囲内であれば〔寄付した金額-2,000円〕を翌年の住民税額から控除する制度です。つまり実質負担2,000円で寄付先から返戻品が貰えるお得な制度です。

相続人が相続財産から「ふるさと納税」を実行した場合、相続税において寄付金控除を受けたうえで、「所得税・住民税」について「ふるさと納税」の恩恵を受けることが可能です。

 

5、寄付する際の注意点

 

「寄付金控除」を受けるための注意点は次の通りです。

相続税の申告期限(10カ月以内)までに寄付を済ませておく

寄付先が「寄付金控除」の対象団体であることを確認する

「相続財産」そのものを寄付する

相続した株式や不動産等を売却して、そのお金を寄付した場合は「相続財産」そのものを寄付した事にはならず、相続税の「寄付金控除」を受けることはできません。(また、株式や不動産を寄付すると税務上は一旦時価で売却したものとして譲渡所得税が発生する可能性も生じます。)

基本的には、相続した現預金の中から寄付を実行することをお勧めします。

 

6、まとめ

 

最初にお伝えした通り、今回は特に節税の話ではありません。

寄付をお考えの方に税務上の優遇措置をご紹介させていただきました。
正直、対象法人の確認や税制について複雑なところもあります。しかし、せっかくの善意の寄付です。

最後まで気持ちよく遂行される事が望ましいです。まずは、専門家にご相談ください。

 

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筆者紹介

山方越志税理士事務所 
山方越志

初めまして。税理士の山方と申します。
私は、これまで相続税の申告に50件近く携わらせ頂いてます。 相続対策も含めますと少なくとも100件以上にはなるかと思います。これは、税理士としても相当な案件数と自負しているところです。
相続実務においては、相続税の知識はもちろんの事、周辺税法・民法・社会保険料及び不動産といった様々な知識からの多角的な検討が必要となります。
その中でも、とりわけ重要なのはご家族皆さんのお気持ちの部分だと、仕事のたびいつも痛感させられます。

節税のアドバイスは当然のこととして、何よりも「その人の大切な物が大切な人に引き継がれていくことのお手伝い」をモットーに業務に携わらせて頂いております。

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